野田利弘
名古屋大学大学院 工学研究科社会基盤工学専攻 教授
【 概 要 】
人工島・海上人工埋立地に生活・経済基盤を依拠する我が国にとって,切迫する巨大地震に対する人工地盤の耐震性再評価や耐震強化は喫緊の課題である。しかし,人工地盤の大半が粘土でも砂でもない細粒分を多く含んだ中間土からなることだけを取りあげても明らかであるが,砂だけ,粘土だけを対象にするような要素研究の細分化が進んだ近代土質力学的視野では対応できない。要素を統合的・俯瞰的視野で捉える新しい現代地盤力学の進展とその成果の工学への還元こそが必要となる。本稿では,この観点から近代土質力学の課題と現代地盤力学の役割について述べる。
キーワード:地盤力学,数値解析,巨大地震,人工地盤,中間土
ホームページ上では、「概要」のみを掲載しております。