坪田裕至
中国電力(株) 電源事業本部
上関原子力立地プロジェクト(耐震土木) 会員
家島大輔
中国電力(株) 電源事業本部
上関原子力立地プロジェクト(耐震土木) 会員
山口浩司
中電技術コンサルタント(株) 原子力プロジェクト室
【概要】
ダムや原子力発電所等の重要構造物の設計,施工,地盤安定性評価等に当たっては,原位置岩盤試験に基づく岩盤物性が用いられるが,このうち,岩盤のせん断強度はブロックせん断試験により求められることが多い。一般的なブロックせん断試験では,同一性状の岩盤について 4 個以上の試験体が必要であるが,試験対象とする岩盤の分布範囲が狭小な場合には所定の試験体を確保できないため,試験の実施が困難となる。
本稿では,上関原子力発電所計画地点を対象に,試験対象とする岩盤の分布範囲が狭小な箇所において,1 個の試験体に対して複数の異なる垂直応力を載荷して岩盤のせん断強度を求める「多段階ブロックせん断試験」を実施するとともに,各垂直応力での載荷終了点の判定方法として,適用例の少ない応力−変位曲線の変曲点に着目した判定方法を採用することとした。また,他の岩種岩級データも用いて今回の方法の有効性を検証した。
キーワード :岩盤物性,多段階ブロックせん断試験,せん断強度,載荷終了点,判定方法
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